4人の子供の父親である知人の話です。
毎年、彼の家のクリスマスは、晩御飯を食べ終わった頃に「父サンタ」と呼ばれるサンタクロースの衣装を着た男がやってきます。
父サンタは、家族が2階でくつろいでいる中、ちょうど彼が1人で1階に降りた5分後に現れます。
父サンタは、彼の4人の子供に今年に頑張った事と、これから頑張る事を聞くとお菓子を渡して帰っていきます。
もう5年目にもなると、さすがに子供もパターンを呼んでいて、
「お父さんがお風呂を洗いに行ったら父サンタが来るでー」
などと言っているそうです。
6年目の今年、ピアノを習い始めたけどうまく和音が弾けなくてくじけそうになっている次女の応援の意味もこめて、父サンタは少し趣向を変えるらしいです。
2階での夕食の後、突然に下の階から「ジングルベル」のピアノのメロディが聞こえてきて、それを弾いているのが父サンタという演出です。
実はこのジングルベルは、彼が10年以上前に買った「ラグタイムピアノ入門」に載っている譜面で、ちょっとレトロなブルース調にアレンジしたなかなかにしぶいジングルベルです。
その当時の彼は大学生で、ピアノは全くの素人ながら
「このジングルベルをピアノで弾けたら女の子にモテモテに違いない!」
と、毎年12月の初めから練習をし始めては、クリスマスに間に合わず、結局いまだに最後まで弾けた事が無い曲です。
「いつか大好きな女の子のために弾こうとは思ってたけど、まさかそれが自分の子供だとは思ってなかった」
と彼は情けなく笑ってました。
子供が寝静まったちょうど今頃、彼は電子ピアノにヘッドホンをつけて猛練習している頃だと思います。
彼の素敵な家族にとっても、皆さんにとっても、今年の12月25日が素敵な日になりますように。

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